子育てを終え、次に気になってくるのが「親の介護」という人も多いのではないだろうか。
ヒューマンサポート春日部で介護職員として働く山崎さんもその一人であった。

「父が亡くなった時に、自分が何もしてあげられなかったことに強い後悔が残りました。夫の両親にはお世話になっていますし、身内に恩返しがしたいと思い、40歳を超えてからですが、未経験でこの業界に飛び込みました」

高校を卒業後、化粧品会社の美容部員として勤め、20代で結婚し子どもを出産。その後は
パートとしてスーパーやドラッグストアなどで働き、介護業界とは無縁だった山崎さん。スーパーで働いている時に、年配の方と接する機会が増え、少しずつ意識するようになったそう。そして「向き不向きもあるから始めるのは早い方がいい」と思い、40代で介護業界に足を踏み入れた。最初は派遣社員として勤務を始め、１年前に同施設で正社員として入社した。

「この仕事を始める前は排泄介助や入浴介助などが不安でしたが、初日で慣れることができました。それよりも入居者さまの生活の一部に携わることへの責任を強く感じました」

入居者の方の中には、認知症が進んでいたり、コミュニケーションが上手に取れない方もいる。その方々のちょっとした変化を見逃さないように、気づいたことがあればどんな些細なことでも、周りに共有することを心がけているという山崎さん。特に昨今は、新型コロナウィルスの影響で、いつ・誰が急に仕事を休んでもおかしくない状況。そんな彼女の気配りは、他のスタッフも助かっているそう。最近では山崎さん自身も、入居者の方々に寄り添うことで、本当の家族のように思えてきて、日々楽しい時間を過ごせているそう。

「ヒューマンサポートでは頻繁にレクリエーションを行うのですが、このあいだはグループ内のチェアエクササイズ選手権を行いました。K-POPの音楽に合わせて椅子に座ったままでもできる体操を入居者さまと一緒に行うのですが、１ヶ月ほどかけて練習をしたんです。本番は施設の中をディスコのようにデコレーションするなど、スタッフも気合を入れていました。とにかく入居者さまが楽しそうに踊ってくださったのが印象的でしたね。中には90歳の方もいたのですが、その方も楽しそうに踊られているのを見て本当に感動しました」

今でもその感動が忘れられないと笑顔で話す山崎さん、今ある目標を持っている。
「もうすぐ実務を始めて３年が経ちます。介護福祉士の受験資格を得られるので、１日でも早く資格を取得して、自分の仕事の幅を広げていきたいです」