専門性が必要に思える介護・福祉の仕事だが、意外に未経験から始める人は多い。現在、ミモザ横浜霧が丘で働く鍵川さんも未経験から始めた一人だ。

「結婚するまでは芝居をしたり、エディトリアルデザインの事務所で働いていました。結婚して下の子どもが小学生になったくらいの時に、ママ友から誘われて病院のデイケアで働き始めました」

仕事を始める前は、身体介助や排泄介助など他人の身体に触れることに不安はあったそうだが、実際に始めてみると育児の経験があったおかげで、それほど抵抗はなかったという。

そんな鍵川さんは、自身や子どもたちの将来を見据えて正社員として同社へ転職を果たす。

「無資格からこの仕事を始め介護福祉士の資格まで取得しましたが、もっとトータル的に利用者さまと向き合いたいと思い、生活相談員の仕事をしたいと思うようになりました。それと将来的に学費をはじめ、子どもにかけるお金を蓄えたいとも考えていました。ちょうどその時、現在の職場が正社員で生活相談員を募集していたので転職をしました」

こうして今年で在籍８年目を迎える鍵川さん、現在は施設長や同社のデイサービスやエリアの責任者も兼ねながら、今も現場で汗を流している。立場や職種が変わろうとも利用者さまと触れ合うことが何よりも活力になると話す。

「ちょっとした時間にお話をしたり、レクリエーションをしたときに出る何気ない笑顔を見るのが好きなんです。それに利用者さまの姿は私たちの希望でもあるんです。高齢者の方や認知症の方であっても運動や体操を繰り返していると、今までできなかったことができるようになったり、背筋が伸び姿勢が良くなったりします。そんな姿を目の当たりにすると、老いへの不安がなくなりますし、こうすれば楽しく生きられるんだと活力が湧いてきます」

そう話す鍵川さんはある壮大な目標を持っている。それは「日本一」のデイサービスを作ること。

「利用者さまの満足度なのか、施設数なのか、売上なのかはまだ決めていませんが、とにかく日本一のデイサービス施設をつくりたいと考えています。それにより、利用者さまや従業員、さらには地域で暮らす方々が幸せになり、幅広く社会に貢献できるのではと信じています」

そう鍵川さんは力強く語ってくれた。