横浜市にある特別養護老人ホーム「ラポール三ツ沢」の建物に入ると、ひと際目を引くのが大きなバーカウンター。介護施設には珍しい設備だが、同施設で介護スタッフとして働く細谷さんは、このバーカウンターの存在を知り、ここで働きたいと思ったと言う。

「求人情報で特別養護老人ホームにバーカウンターがあるという情報を見て、ユニークな施設だなと思いました。私も長い間介護業界で働いていますが、こういう施設はなかなかないと思いますよ。その自由な雰囲気に惹かれました」

今はコロナ禍のため、使用は差し控えているが、以前はこのバーカウンターに利用者さまやスタッフが集まり、自由にコミュニケーションを取っていたそう。細谷さんもその時間をとても楽しみにしていたのだとか。

幼い頃、祖父母と暮らしていたことがきっかけで、介護業界の仕事に興味を持ったという細谷さん。今年で介護業界12年目を迎えるが、実は一度介護以外の仕事を見てみたいと配達業界でドライバーとして働いたこともあったそう。

「配達の仕事をしていたとき、たまたま私が担当するエリアにお年寄りが多くて、接しているうちにやっぱり介護の仕事をしたいと思うようになったんです」

まさに細谷さんにとって、介護職は天職と言える。その証拠に、何よりも印象的なのが働いているときの笑顔。

「笑顔って相手に移ると思うんです。だから私は常に笑顔でいられるよう、自分自身が楽しむようにしています。とはいえ、利用者の方と話すのは楽しいので、必然的に笑顔になっていますけどね。皆さん、人生の先輩の方々なので、いろんなことを相談に乗ってもらっています」

そう笑顔で話す細谷さん、現在はユニットリーダーとして、利用者の管理だけではなく、スタッフの勤怠管理や精神面でのケアを任されている。配達業界で勤務していたときにリーダーの経験をしたことはあったが、介護業界では未経験。自分に務まるか不安はあったが、仲間が背中を押してくれたのだとか。

「仲間たちには感謝をしています。それに今はみんなががんばってくれているので、いい介護ができていると思っています。これからも利用者さまが楽しく過ごせるよう、スタッフ一同がんばりたいです」