「皆さん、本当に楽しそうに買っていかれるんですよね。その笑顔を見ているとこちらも幸せな気持ちになれるんです。お力になれてよかったなと思います」
そう笑顔で話すのは、茅ヶ崎駅の駅前にある宝くじ売り場で販売員を務める場本さん。

多くの人が夢を求めて訪れる宝くじ売り場で、一人ひとりのお客さんに幸せを届けるべく、笑顔で接客をする販売員たち。場本さんは、そんな夢のある仕事を11年も続けている。

もともとは化粧品会社の事務職として働いていたが、結婚とともに退社。10年間、専業主婦として、子育てや家事に従事していたが、子どもの成長とともに再び仕事を開始した。

当時大学生だった娘が働いていたお持ち帰り寿司店などでアルバイトをしていたが、体力的に負担の少ない仕事に変えようと思い、今の職場へと転職をしたという。

「基本、店頭に立つのは１人です。心細さはありましたが、その分、集中して業務に携わることができるので自分に合っているなと思いました。それと、これまでの仕事はどちらかというと喜怒哀楽を出さずに淡々とこなすことが多かったのですが、今の職場は楽しみや喜びを共有できるのが気に入っています。今の売り場には老若男女問わず、多くのお客さまがいらっしゃるので、接客中は、一人ひとりのペースに寄り添い対応するように心がけています」

年配のお客さんも多いため、午前中や夕方など多くのお客さんが来店するピークタイムのときであっても、その方が慌てず買うことができるよう配慮している。その甲斐もあり、多くの常連さんが場本さんに会いに来店されるという。

「常連さんの多くは来店される曜日や時間帯が決まっていらっしゃいます。毎週親子で来店される方も。そんなお客さま方が『会いにきたよ』や『場本さんのおかげで当たったよ』と声をかけてくださることもあります。この仕事を続けてきてよかったと思う瞬間です。今後は、１人でもそのようなお客さまに来店していただけるよう接客やお店づくりをがんばりたいです」