定期訪問している個人宅を中心にまわり、ヤクルトなどの自社商品を販売する「ヤクルトレディ」。子育てをする女性が働きやすいと話題を集めているが、今回紹介する大川さんもその一人。この仕事をはじめたきっかけは「託児所があったから」と話す。

「結婚・出産を機に専業主婦をしていましたが、仕事をしたい、という思いはありました。
下の子どもが幼稚園に入る頃までに仕事を始めたかったのですが、保育園に預けられそうになくて。そのとき、ここの職場に託児所が付いていることを知って応募しました」

大川さんが勤務する千葉県ヤクルト販売株式会社うるいど南センターでは、託児所が隣接。ここで働く者であれば誰でも利用ができるため、送り迎えの手間はなくなる。さらに面接でのひと言が彼女の背中を押したそう。

「子どもが風邪をひきやすく、急に休まなければならないことが不安でした。そのことを面接で話したら、『そのときは周りがフォローするから遠慮なく休んで』と言ってくださったんです。心強かったですね」

こうしてヤクルトレディとしてのキャリアをスタートした大川さん。現在は、平日の9時〜15時くらいまで勤務している。バイクの運転に不安はあったが、運転講習もしっかり行われるため、すぐに運転ができるようになったそう。

「この仕事はただ商品を届ければいいわけではありません。お客さまの体調を聞いて、それに合わせた商品をおすすめするのも大事な務めです。実際に便秘に悩まされていたお客さまに、その方の体調に合わせた商品を紹介したら、すごく喜んでくださったんです。嬉しかったですね。今後はもっとお客さまとの信頼関係を築いていきたいですね」

と、仕事のやりがいや目標について話す大川さん。暑い夏の日も雨の日もバイクを運転する大変さはあるものの、お客さまに会える喜びが大きいと言う。そして、もう一つこの仕事をしていて、充実感を得られるのは仲間の存在なのだとか。

「基本は一人で仕事をしますがお届けを終えて事務所に戻ったときには、みんなと色々な話をします。他愛のない話から子育ての悩みを聞いてもらうこともあります。専業主婦のときは社会とのつながりがなかなか持てませんでしたが、この仕事をはじめて疎外感を感じなくなりました。本当にこの仕事に出会えてよかったと実感しています」