長年、専業主婦として家庭を守ってきた人にとって「子どもの自立」は大きな分岐点になる。それまで子育てに費やしていた時間が自由になり、自分のために使えるようになるため、新たなことにチャレンジしようという人も少なくない。住友不動産建物サービス株式会社でマンションの管理員として働くKさんもその一人。

「子どもが社会人になり、自分の時間が自由に使えるようになりました。家にいるよりも体を動かして働く方が健康的ですし、家計の足しにも繋がるので働いてみようと思いました」

求人情報を見て、数ある仕事の中から「社会とのつながり」「人との接点がある」ということに魅力を感じ、同社に応募した。とはいえ掃除は好きだが、マンション管理員の経験はなかったため、仕事を始めることに大きな不安があったそう。そんな彼女の不安を払拭してくれたのが会社の体制であった。

「長く続けられるのかとても不安でした。ただ始めてみると研修期間がありましたし、前任者と１週間くらいは一緒に仕事をしながら業務内容を覚えていけたので、すぐに不安は払拭されました。基本は一人で仕事をしますが、わからないことがあれば物件の担当者や本社のコールセンターに問い合わせができるので、安心して働けるなと実感しました」

Kさんが勤める住友不動産建物サービス株式会社は、業界では大手に位置する。その恩恵を受けられるのも働きやすさの一因であるという。

「コロナ禍で業務が縮小されている会社もあると聞きましたが、この会社ではそのようなこともなく安定して働けます。また有休消化を積極的に促してくれるので無理することなく仕事を続けられています。それと福利厚生が充実しているのも大きな魅力です。スポーツクラブが利用できたり、軽井沢にある別荘が利用できたりするのも嬉しいですね」

現在はマンションの管理員として、受付や点検、清掃など、マンション全体の日常管理を担っている。ルーティンでやることが多く、それをこなしているとあっという間に時間が過ぎるそう。程よく体も動かせるためいい運動になり、働くようになってから体調がいいのだとか。さらに仕事のやりがいも充分に感じられているという。

「自分が掃除したところが綺麗になっていくのは気持ちがいいですよね。『いつも綺麗にしてくださりありがとうございます』と声をかけてくれる方もいました。また、隅々まで徹底的に掃除をしたことで入居者の方々のマナーが改善されたことも。社会に貢献できている実感を得られて嬉しかったです。定年は72歳ですが雇用延長もあると聞いていますので、このまま仕事を続けていきたいです」