地域全体で子育て家庭を支援するため、育児に関する相談などを行っている「南鳩ヶ谷地域子育て支援センター」。そこでスタッフとして働く永井さんは、自身も以前はサービスを利用する側だったという。

「次女を身籠っていた頃にこのエリアに引っ越してきたんです。自分の身体をケアしながら長女の面倒を見るのは本当に大変でした。おまけに周りに知り合いもおらず、知見もなかったので不安で。その時に利用したのが、子育て支援センターでした。職員さんはみんな親切で、居心地が良く、毎日のように通っていたら職員の方に『働かない？』と声をかけていただいたんです」

出産前は、私立幼稚園に勤めていた永井さん。長女の出産を機に専業主婦として家事に従事していたが、復職するならまた子どもやその親御さんに関わりたいと思っていたそう。また、自身も子育て中であるためその経験を活かせると思い、働くことを決意した。

南鳩ヶ谷地域子育て支援センターでは、子どものことはもちろん親御さんの相談を受けることが多い。特に産後のメンタルケアや子育てにまつわる悩みを聞くのが主な仕事となる。同じ子どもを持つ母親として、同じ目線で話せるのは強みだという。さらにここで働くことで自身の子育てにも活かされるのだとか。

「来館されたママさんの相談を受けながら、1人1人の個性に合った接し方が大切ということや、離乳食や予防接種のことなど、子育てに関する情報も知ることができました。それにここで働く職員は皆さん、人生の先輩です。そのため本当に幅広いアドバイスをいただくことができるんです。」
わからないことがあればすぐに相談できる環境や、個人の挑戦を後押ししてくれる風土があるのも働きやすさにつながっていると永井さんは話す。

「コロナ禍でご利用者さんが楽しみにされているお誕生日会のイベントができなくなってしまいました。なかには来館できなくなってしまったお子さんや親御さんも。その方々のために、これまでもZoomなどを使ったオンライン事業は行っていましたが、誕生会動画配信を１日限定公開というやり方で提供することができれば誕生会の楽しさをお届けできるのではないでしょうかと提案してみました。すると『なるほどみんなでやってみようか！』と背中を押してくれたんです。ご利用者のおやこに大変ご好評を頂き、たくさんのご予約を頂ける事業になっています。毎月の動画撮りも職員のチームワークで楽しく取り組んでいて、笑顔があふれています。微力ながらもセンターのパワーアップに貢献できたことは嬉しく思います。まだまだ経験不足で親御さん方の悩みに答えきれていないと感じることもありますので、もっと知識や経験を積んで利用者の皆さんの心に優しく寄り添えるようがんばりたいです」